家の中を見渡したとき、「物が多い気がする」「片づけてもすぐ散らかる」と感じることはありませんか。
長く暮らしていると、衣類、食器、日用品、書類、趣味の物などは少しずつ増えていきます。一つひとつには理由があっても、数が増えるほど管理や片づけに時間がかかりやすくなります。
大人のシンプルライフは、何も持たない暮らしを目指すことではありません。自分に必要な物、よく使う物、気に入っている物を残しながら、暮らしを複雑にしすぎないことが基本です。
一度に大量の物を手放したり、収納用品をすべて買い替えたりする必要もありません。まずは今の暮らしの中で、使いにくいところや物が集まりすぎているところを一つずつ整えていけば十分です。
ここでは、大人のシンプルライフを始めたいときに考えておきたい、物を増やしすぎないための基本をまとめます。
大人のシンプルライフは「少なさ」より「管理しやすさ」を大切にする
シンプルライフというと、部屋に物がほとんどない暮らしを思い浮かべることがあります。
けれど、必要な物の数は人によって違います。本が好きな方、料理が好きな方、洋服を楽しみたい方など、それぞれ大切にしているものがあります。
そのため、物の数だけを減らそうとすると、暮らしの楽しみまで小さくなってしまうことがあります。
大切なのは、「持っている物を自分で把握できているか」「使いたいときにすぐ使えるか」「片づけが負担になっていないか」ということです。
数が多少多くても、使いやすく整っていれば暮らしは複雑になりにくくなります。反対に、物が少なくても置き場所が決まっていなければ、探し物が増えることがあります。
まずは物を捨てるより「増える理由」を知る
物を減らしても、しばらくするとまた増えてしまう場合があります。
そのようなときは、手放すことだけを繰り返すより、なぜ物が増えるのかを確認してみましょう。
安いから買っていないか確認する
値引きされている日用品や衣類を見ると、「いつか使うから」と買いたくなることがあります。
けれど、安く買えたとしても、使わなければ収納する場所が必要です。
価格だけで決めず、「今使っている物がなくなったら本当に使うか」「すでに似た物を持っていないか」と考えてから選ぶと、物が増えにくくなります。
予備を持ちすぎていないか見る
洗剤、ティッシュ、シャンプー、食品などは予備があると安心です。
ただし、収納できる量を超えて買ってしまうと、何を持っているのかわかりにくくなります。
予備は一つ、あるいは一か所に入る分だけなど、自分なりの基準を決めておくと管理しやすくなります。
一度に家全体を片づけようとしない
シンプルな暮らしにしたいと思うと、休日を使って家全体を一気に片づけたくなることがあります。
しかし、長い時間をかけて片づけると疲れやすく、その後の管理まで負担になることがあります。
まずは小さな場所から始めるほうが続けやすくなります。
引き出し一つから始める
洗面台の引き出し、キッチンの小さな収納、バッグの中など、一度に確認できる範囲を選びましょう。
中身を全部出し、現在使っている物、予備、使っていない物に分けるだけでも整理しやすくなります。
一つ終われば、その日は十分です。次の日や次の休日に別の場所へ進めば、少しずつ整っていきます。
毎日5分だけ整える方法もある
まとまった片づけ時間を作りにくい方は、毎日5分程度だけ整える方法もあります。
机の上だけ、玄関だけ、財布の中だけなど範囲を小さくすれば、負担を増やしにくくなります。
よく使う物には定位置を作る
暮らしをシンプルにするためには、収納用品を増やすより、物を戻す場所を決めることが大切です。
鍵、財布、眼鏡、充電器など、毎日のように使う物ほど定位置を作っておきましょう。
使う場所の近くへ置く
収納場所は、見た目だけで決めず、実際に使う場所に合わせます。
玄関で使う物は玄関、洗面所で使う物は洗面所というように、移動を少なくすると戻しやすくなります。
毎回別の部屋まで取りに行かなければならない収納は、次第に使いにくく感じることがあります。
家族がいる場合はわかりやすさを優先する
家族と暮らしている場合、自分だけがわかる収納にすると、物が別の場所へ置かれやすくなります。
細かく分類しすぎず、「ここへ戻せばよい」とわかる状態にすると続けやすくなります。
収納用品は物を減らしてから考える
片づけを始めると、収納ボックスや棚を買いたくなることがあります。
しかし、物を確認する前に収納用品を増やすと、空いた場所へさらに物を入れてしまうことがあります。
まずは現在持っている物を確認し、その後で本当に収納が必要か考えましょう。
今ある収納に収まる量を目安にする
衣類ならクローゼット、食器なら食器棚というように、現在の収納スペースに無理なく入る量を一つの基準にできます。
入りきらなくなったら収納を増やすのではなく、最近使っていない物がないか確認する機会にしてみましょう。
衣類は「着られる」より「今着ている」で考える
衣類は、まだ着られるからという理由で残りやすいものです。
けれど、サイズが合わない、着心地が気になる、合わせる服がないなど、実際には長く着ていない物もあります。
一年間着ていない服を確認する
季節ごとに衣類を見直し、最近着ていない服を確認してみましょう。
必ず手放す必要はありません。まずは別にしておき、次の季節にも着なかった場合に改めて考える方法があります。
普段着の定番を持つ
よく着るトップス、パンツ、羽織り物など、自分が使いやすい定番があると服選びもラクになります。
新しい服を買うときも、手持ちの服と合わせやすいかを考えると増えすぎにくくなります。
日用品は「使い切ってから買う」を基本にする
日用品は一つひとつが小さいため、増えても気づきにくいものです。
洗剤、スキンケア用品、文房具、掃除用品など、似た用途の物をいくつも持っていることがあります。
まずは今ある物を使い切り、それから次を買う流れを作ると管理しやすくなります。
使いかけを集めて確認する
同じ用途の物が複数ある場合は、一か所へ集めてみましょう。
少しだけ残っている洗剤やクリーム、文房具などが見つかることがあります。
現在ある物を優先して使えば、新しく買う回数も減らしやすくなります。
食器やキッチン用品は使う頻度で分ける
キッチンは、便利そうな物が増えやすい場所です。
食器、保存容器、調理器具などは、「いつか使うかもしれない」と残しているうちに数が増えることがあります。
毎日使う物を取り出しやすくする
よく使う皿、マグカップ、フライパンなどは手に取りやすいところへ置きましょう。
年に数回しか使わない物を同じ場所へ置いていると、日常的に使う物が取り出しにくくなります。
保存容器は数とふたを確認する
保存容器は本体だけ、ふただけが残ることがあります。
定期的に組み合わせを確認し、使えない状態のものがないか見直すと収納も整えやすくなります。
紙類は家に入ったときに分ける
郵便物、チラシ、レシート、説明書などの紙類は、後で確認しようと思って置いているうちに増えやすくなります。
家へ入ったときに、残す物と不要な物を簡単に分ける流れを作っておきましょう。
一時保管する場所を一つ決める
すぐ確認できない書類は、一時的に置く場所を一つだけ作ります。
家のあちこちへ置かないようにすると、必要なときにも探しやすくなります。
定期的に中身を確認する
一時保管したまま長く残さないよう、週末や月末など自分が確認しやすい日に見直しましょう。
思い出の品は無理に減らさなくてよい
写真、手紙、旅行先で買った物など、思い出に関わる品は簡単に判断できないことがあります。
シンプルライフだからといって、大切な物まで無理に手放す必要はありません。
専用の箱を一つ作る
思い出の品は、一つの箱や収納スペースへまとめる方法があります。
どこにあるかわかっていれば、日常の収納と混ざりにくくなります。
量が増えてきたときだけ、中身をゆっくり見直せば十分です。
買い物では「家に持ち帰った後」を考える
物を増やしすぎないためには、買う前の考え方も大切です。
店頭やネットで見たときには魅力的でも、家へ持ち帰れば収納や管理が必要になります。
買う前に、「どこへ置くか」「どのくらい使うか」「似た物を持っていないか」を考える習慣を作りましょう。
迷ったらその日は買わない
すぐに必要ではない物なら、一度時間を置いてから考える方法があります。
翌日になっても欲しいと思えるか、家に似た物がないか確認してから決めると、勢いだけで増やしにくくなります。
新しく買ったら一つ見直す
服やバッグ、食器など、新しく一つ増えたら、同じ種類の物を一度確認してみましょう。
必ず一つ手放すという厳しい決まりにする必要はありません。「今も全部使っているか」を確認する機会にするくらいで十分です。
便利グッズを増やしすぎない
家事や収納をラクにする便利グッズは魅力的ですが、道具が増えすぎると、それらを収納したり管理したりする手間も増えます。
便利そうだから買うのではなく、今困っていることを本当に解決できるか考えてから選びましょう。
一つの道具で複数の使い方ができるものを選ぶ方法もあります。
シンプルな暮らしは掃除の負担も考える
床や棚の上に物が多いと、掃除をするたびに移動させる必要があります。
掃除が面倒に感じる場所があるなら、そこに置いている物を少し見直してみましょう。
床へ直接置く物を減らす
バッグ、箱、日用品などを床へ置く習慣があると、掃除機をかけるたびに移動が必要になります。
毎日使う物には棚やフックなどの定位置を決めると、床を整えやすくなります。
棚の上に余白を残す
棚やテーブルを物でいっぱいにせず、少し余白を残しておくと、掃除もしやすく見た目も落ち着きやすくなります。
人と比べず自分に合う物の量を決める
シンプルな部屋を見ると、自分も同じくらい物を減らしたほうがよいのではないかと思うことがあります。
しかし、暮らし方は人によって違います。
趣味、仕事、家族構成、家の広さなどによって必要な物も変わります。
大切なのは、誰かと同じ量にすることではなく、自分が管理しやすく、使いたい物をすぐ使える状態にすることです。
定期的に小さく見直すと物が増えにくい
一度きれいに整えても、生活していれば物は少しずつ増えます。
そのため、大がかりな片づけを何年かに一度行うより、小さな見直しを続けるほうが負担を減らしやすくなります。
月に一度、引き出し一つを見る。季節の変わり目に衣類を見る。日用品の予備を確認するなど、自分が続けやすい方法で構いません。
物がいっぱいになってから整えるのではなく、「少し増えてきたな」と感じた段階で確認すると作業も短く済みます。
まとめ|大人のシンプルライフは物を増やしすぎない仕組みから始める
大人のシンプルライフは、持ち物を極端に減らすことではありません。
現在使っている物を把握し、よく使う物には定位置を作り、必要以上に新しい物を増やさないことが基本です。
衣類、日用品、食器、紙類などを一度にすべて整える必要もありません。引き出し一つ、バッグ一つなど、小さなところから始めれば十分です。
また、思い出の品や趣味の物など、自分が大切にしたいものまで無理に減らす必要はありません。残したい物をきちんと残せることも、暮らしを整えることの一つです。
買い物をするときには家へ持ち帰った後まで考え、今ある物を使い切ることも意識してみましょう。
物の少なさを目標にするのではなく、探し物や片づけの負担が少なく、自分に必要な物を気持ちよく使える暮らしへ少しずつ整えていきましょう。
