キッチンには調理道具、食器、調味料、保存容器など、毎日使う物がたくさんあります。きれいに収納しているつもりでも、「フライパンを出すたびに別の鍋を動かす」「料理中に何度も棚を行き来する」といった使いにくさを感じることがあります。
そんなときは、持っている物の数ではなく、置き場所を見直してみましょう。
キッチン収納を使いやすくする基本は、よく使う物ほど取り出しやすく、使う場所の近くへ置くことです。コンロで使う物、シンクで使う物、作業台で使う物をそれぞれ近くにまとめると、料理中の移動を少なくできます。
さらに、毎日使う物と、ときどき使う物で収納する高さや手前・奥を変えると、今ある収納でも使いやすくなる場合があります。
ここでは、物を減らすことを中心にするのではなく、現在持っている調理道具や食器を、毎日の作業に合わせて置き分ける方法をまとめます。
キッチン収納は「何をどこで使うか」から考える
キッチン収納を整えるときは、食器は食器、調理道具は調理道具というように種類だけでまとめる方法があります。
しかし、毎日の使いやすさを考えるなら、「どこで使う物なのか」という視点も大切です。
コンロで使うフライパンや菜箸、作業台で使う包丁やボウル、シンクで使う洗剤やスポンジなど、それぞれ使う場所があります。
使う場所から遠いところへ収納していると、一回の移動は短くても、料理のたびに何度も往復することになります。
まずは、いつもの料理を思い浮かべながら、何をどこで使っているかを確認してみましょう。
コンロまわりには加熱調理で使う物をまとめる
コンロでは、フライパン、鍋、菜箸、トング、フライ返し、おたまなどを使うことが多くなります。
これらをコンロから近い収納へまとめると、料理中に振り返ったり別の棚へ移動したりする回数を減らせます。
フライパンや鍋は取り出しやすい高さへ
毎日のように使うフライパンや鍋は、無理にかがんだり手を伸ばしたりしなくても取り出せる場所が使いやすくなります。
低い収納しかない場合でも、よく使う物を手前へ置くだけで出し入れはラクになります。
複数の鍋を重ねる場合は、使用頻度の高い物を上にしておくと、毎回ほかの鍋を持ち上げずに済みます。
菜箸やおたまは片手で取れる場所へ
加熱中に使う菜箸、おたま、トングなどは、料理の途中で何度も手に取ります。
コンロ近くの引き出しへ入れる、よく使う数本だけスタンドへ立てるなど、片手でも取りやすい方法にすると便利です。
コンロのすぐ横へ出したままにすると油汚れがつきやすいため、掃除のしやすさも考えながら決めましょう。
作業台の近くには下ごしらえで使う物を置く
食材を切る、混ぜる、計るといった下ごしらえは、作業台で行うことが多くなります。
包丁、まな板、ボウル、ザル、計量カップなどを作業台の近くへまとめておくと、一連の作業を進めやすくなります。
包丁とまな板は同じ流れで取れるようにする
包丁は引き出し、まな板は離れた棚というように収納が分かれていても構いませんが、毎回大きく移動する必要がないほうが便利です。
食材を出したあと、そのまま包丁とまな板を準備できる流れを考えて置き場所を決めましょう。
ボウルとザルはセットで使いやすくする
ボウルとザルは一緒に使う機会が多いため、近くへ収納しておくと探す手間を減らせます。
同じ棚や引き出しへまとめるのが難しい場合でも、上下の棚など近い範囲に置いておくと使いやすくなります。
シンクまわりには洗う作業に必要な物を集める
シンクでは、食器や調理道具を洗う、ふきんを使う、ゴミをまとめるといった作業を行います。
洗剤、スポンジ、ふきん、ゴミ袋などは、シンク近くへまとめておくと片づけの流れを作りやすくなります。
洗剤やスポンジはすぐ取れて戻しやすくする
毎日使う物なので、奥深くへ収納するより、使ったあとにすぐ戻せる場所が向いています。
シンク下の手前側や、使いやすいケースなど、自分が片づけやすい形を選びましょう。
ゴミ袋もゴミ箱の近くへ
ゴミ袋を交換するたびに別の棚まで取りに行くなら、ゴミ箱の近くへ移すと作業が簡単になります。
キッチン収納では、同じ種類をまとめることより、実際に使う場面に合わせるほうが便利な場合があります。
毎日使う物は手前、ときどき使う物は奥に置く
同じ引き出しや棚の中でも、手前と奥では取り出しやすさが違います。
毎日使う物を奥へ入れ、たまにしか使わない物を手前へ置いていると、毎回余計な動作が増えます。
使用頻度の高い物を手前へ、低い物を奥へ移すだけでも、収納の使い勝手は変わります。
一週間の使用回数を思い浮かべる
どれを手前へ置けばよいかわからない場合は、一週間の料理を思い浮かべてみましょう。
毎日使う物、週に何度か使う物、月に数回程度の物というように考えると、優先順位を決めやすくなります。
収納の高さも使用頻度に合わせて使い分ける
キッチンには、吊り戸棚、腰の高さの引き出し、シンク下など、さまざまな高さの収納があります。
よく使う物ほど、自然に手が届く高さへ置くと使いやすくなります。
取りやすい高さには日常使いを集める
毎日使う皿、マグカップ、調味料などは、背伸びや大きなかがみ込みをしなくても取れる場所を優先します。
収納スペースが限られていても、日常使いだけを取りやすい高さへ移すと毎日の負担を減らせます。
高い棚には軽くて使用頻度の低い物を置く
高い棚は、来客用の食器や季節に使う軽い物などを置く場所として使えます。
重い鍋や大きな家電を高い場所へ置くと出し入れが大変になるため、扱いやすさを優先しましょう。
低い場所には重い物を置く
重さのある鍋や調理家電は、低めの収納のほうが扱いやすい場合があります。
ただし、毎日使う物を最も奥へ入れてしまうと取り出しにくいため、重さと使用頻度の両方を考えることが大切です。
引き出しは一度開ければ必要な物が見える状態にする
引き出しはキッチン用品をまとめやすい反面、物が重なると何が入っているかわからなくなります。
料理中に一つの物を探して引き出しの中をかき分けるようなら、並べ方を見直してみましょう。
よく使う物を上に重ねない
使用頻度の高い物がほかの道具の下に隠れていると、毎回取り出す手間が増えます。
横に並べる、手前に置くなど、一度開ければすぐ見つけられるようにします。
仕切りは大まかに使う
仕切りを細かく増やしすぎると、戻す場所を考える手間が増えることがあります。
「調理小物」「カトラリー」など、大まかにまとめるくらいでも十分です。
きれいに並べることより、料理の途中でも迷わず戻せることを優先しましょう。
鍋・フライパン・ふたは一つずつ取り出せると便利
鍋やフライパンを何枚も重ねると、下の物を使うたびに上の物を動かす必要があります。
収納スペースに合うなら、立てて並べたり、ふたを別にまとめたりする方法も使いやすくなります。
ふたは本体とは別にまとめる方法もある
鍋の上へふたを重ねるより、ふただけを立てて並べたほうが取り出しやすい場合があります。
料理中に必要なサイズをすぐ選べるように、自分が見つけやすい並べ方を考えてみましょう。
食器は食卓へ運びやすい場所を考える
食器収納では、皿の種類だけでなく、食卓へ運ぶ流れも考えると便利です。
毎日のように使う茶碗、汁椀、小皿などを近くへまとめておけば、食事の準備を一度に進めやすくなります。
朝食で使う物をまとめる
毎朝同じような食器を使うなら、マグカップ、小皿、ボウルなどを近くへ置いておく方法があります。
朝の忙しい時間に棚を何か所も開けずに済みます。
普段使いと特別な日の食器は場所を分ける
来客時や特別な日に使う食器まで、毎日の食器と同じ場所へ置く必要はありません。
日常的に使う物を手に取りやすくし、それ以外を少し離すと普段の準備が簡単になります。
調味料は調理中に手を伸ばしやすい場所へ
塩、しょうゆ、油など、頻繁に使う調味料は料理中に何度も手に取ります。
コンロや作業台から大きく離れている場合は、近い収納へ移してみましょう。
加熱前に使う物と加熱中に使う物を考える
計量するときによく使う調味料と、鍋へ直接加えることが多い調味料では、使う場面が少し違います。
普段どのタイミングで使うかを考えると、自分に合う置き場所を決めやすくなります。
冷蔵庫も「いつ使うか」で置き分ける
冷蔵庫もキッチン収納の一部として考えると、料理や朝食の準備がしやすくなります。
毎朝使う飲み物や朝食用の食品は取りやすい棚へ、料理中によく使う調味料はまとめておくなど、使用場面に合わせてみましょう。
朝食セットを近くにまとめる
ヨーグルト、飲み物、パンに使うものなど、朝によく使う食品を近くへまとめると、冷蔵庫を何度も探さずに済みます。
料理に使う物も大まかに分ける
調味料、野菜、作り置きなどを大まかに分けておくと、料理中に必要な物を見つけやすくなります。
細かな分類を増やすより、家族も自然に戻せる程度にしておくことが大切です。
調理家電は使う場所から離しすぎない
毎日使う電気ケトルやトースターなどは、使用する場所の近くへ置くと準備しやすくなります。
一方、使用回数の少ない家電は収納しておき、必要なときだけ出す方法もあります。
家電を収納する場合は、重さにも注意しましょう。使うたびに高い棚から下ろす必要があると、次第に使いにくく感じることがあります。
作業台にはすぐ料理を始められる場所を残しておく
調味料や家電などが作業台いっぱいに並んでいると、料理を始める前に物を移動させる必要があります。
まな板やボウルをすぐ置ける場所を残しておくと、準備がスムーズになります。
毎日使う物を出したままにする場合も、作業する範囲をふさがないところへまとめましょう。
「使う・洗う・戻す」がつながる収納にする
キッチン収納は、取り出しやすいだけではなく、使った後に戻しやすいことも大切です。
料理中に使う場所と、洗った後に戻す場所が大きく離れていると、片づけの移動が増えます。
たとえば、食器は水切り場所から戻しやすい棚へ、鍋は洗った後にそのまましまいやすい場所へ置くなど、片づけまで含めて考えてみましょう。
家族も使う物は誰でも戻しやすくする
家族がキッチンを使う場合は、自分だけがわかる細かな収納にしすぎないことも大切です。
マグカップはここ、箸はここ、保存容器はここなど、大まかに決めておけば、家族も使った後に戻しやすくなります。
ラベルを増やさなくても、開ければ何が入っているかわかる程度にまとめておくと使いやすいでしょう。
使いにくいと感じたら置き場所を変えてよい
一度決めた収納場所をずっと使い続ける必要はありません。
料理の仕方が変わったり、使う食器が変わったりすれば、便利な置き場所も変わります。
最近何度も別の場所へ取りに行っている物があれば、「こちらへ移したほうが使いやすいかもしれない」と考えてみましょう。
キッチン収納は一度完成させるものではなく、実際に使いながら少しずつ整えていくほうが日常になじみます。
まとめ|キッチン収納は使用頻度と作業の流れに合わせて整える
キッチン収納を使いやすくするには、物を種類ごとにきれいに並べるだけではなく、どこで、どのくらいの頻度で使うかを考えることが大切です。
コンロで使う物はコンロの近く、下ごしらえで使う物は作業台の近く、洗うときに使う物はシンクの近くというように、作業に合わせて置き分けると移動を少なくできます。
また、毎日使う物は手前や取りやすい高さへ、ときどき使う物は奥や上段へ置くと、今ある収納でも使いやすくなります。
食器、調味料、冷蔵庫の中身なども、普段どのタイミングで使っているかを考えて置き場所を決めてみましょう。
大切なのは、見た目だけを整えることではありません。取り出しやすく、料理しやすく、洗った後にも戻しやすい流れができていることです。
まずは毎日使っているフライパンや食器など、一つの置き場所から見直し、普段の料理に合うキッチン収納へ少しずつ整えていきましょう。
